| (1)開会式 |
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| @ 国土交通副大臣の挨拶 |
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| 「ミレニアム観光サミット」の開会式に当たり、開催国を代表して、ごあいさつを申し上げます。「ミレニアム観光サミット」という、この新たな試みは、第14回世界観光機関総会が21世紀の最初に我が国の大阪で開催されることを記念し、この新たな世紀に、国際観光すなわち世界の人々の交流が更なる発展を遂げ、しかも、そのことが我々の住むこの地球の保護と平和な国際社会の実現に重要な役割を果たすことを念願して、企画されたものと承知しております。 |
| そして、こうした趣旨に賛同され、各国から、政治、経済、社会、技術など広範な分野にわたり、世界的な権威として知られる多数の皆様が参加をされました。 |
| このサミットのために各国からご参加をいただいた皆様、ご支援をいただいた皆様、そしてご来場の皆様に、心から敬意を表します。 |
| 20世紀は、様々な交通手段の飛躍的な発達と情報化の革命的な進展によって、国の内外にわたる観光が、その規模において大きく発展した時代でした。 |
| 私たちは、観光の発展が、各国やその地域の経済発展や雇用において大きな経済効果をもたらし、それが世界経済や国際社会の安定に重要な貢献を果たすものであることを知りました。 |
| また、20世紀の国際的な観光の発展は、私たちがこの地球において多くの世界を自由に旅して、様々な人々、社会、自然、文化、歴史に触れ、交流することを可能にしました。 |
| 私たちは、こうした観光交流の拡大が国際的な相互理解を増進し、更には、そのことが平和な社会の実現に貢献することを実感しました。 |
| しかし、一方で、観光による新たな観光地の開発や大量消費により、海洋を始めとする地球の環境やそれまでの各国の良き文化や社会に悪影響を及ぼす場合があることも学んだ世紀でした。 |
| このため、私たちは英知を結集して、21世紀において、観光が、引き続きその重要な意義を全世界から認められるため、自然環境や文化遺産と共生し、共に持続的に発展する方法を検討しなければなりません。 |
| 同時に、先ごろ米国を襲った、あの同時多発テロ事件が物語るように、凶悪なテロリズムは、一瞬にして、国際観光や人々の交流を危機に陥れるものであります。 |
| 私たちは、平和な社会を破壊し、世界の人々が自由に交流する権利を踏みにじる卑劣なテロ行為に対して断固たる決意で立ち向かうとともに、旅行者の安全を確保しなければなりません。 |
| 今回の総会で、日韓両国が共同提案したテロを非難する決議が採択されました。 |
| 各国のテロに対する決然とした立場が一致したものであり、高く評価すべきであると考えます。 |
| こうした状況のもと、「ミレニアム観光サミット」では、@観光マーケットの質的・量的変化、A自然・文化遺産の継承、そして、B情報技術革命と観光という、3つの基本的なテーマについて、議論をいただくこととしております。 |
| いずれも、新しい世紀における観光の方向を展望するのにふさわしいテーマであります。そして、これからこの大阪で始まる歴史的な討議が、21世紀において、観光や人々の交流の行方を示す羅針盤となり、世界各国の持続的な発展と世界平和の実現に寄与することになるのであれば、開催国として、これに優る栄誉はありません。 |
| この「ミレニアム観光サミット」に、そうした大きな期待をいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。 |
| ありがとうございました。 |
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| A 世界観光機関(WTO)事務局長の挨拶 |
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| 泉副大臣、代表団の方々、並びにご出席の皆様、今朝こうしてミレニアム観光サミットに皆様をお迎することができ、大変嬉しく思います。第14回世界観光機関総会は昨夜ここ大阪で成功裡に幕を閉じましたが、世界観光機関では、その討議をさらに深める目的でこの観光サミットを計画してきました。 |
| 私たちは数ヶ月にもわたって会合の準備を進めてきたわけですが、この何週間かの悲劇的事件、さらに世界観光へ及ぶ直接的影響によって、今日から二日間に私たちが提示しようとする話題が緊急性を帯びてきました。 |
| 観光産業は、これまでで最大の危機、最大の挑戦となるかもしれない事態に直面しており、今回のミレニアムサミットは、私たちが現状を見極める絶好の機会といえます。 |
| 9月11日に起きたニューヨークとワシントンへのテロ襲撃は、観光産業に前例のない影響をもたらしています。 |
| このようなことはこれまで起こったことがなく、送り出す観光客では世界最大の市場であり、また第2の観光目的地でもあるアメリカ合衆国がテロ襲撃に直接巻き込まれたことは、かつてありませんでした。 |
| 私たちはこの悲劇を悼み続けており、また会議が行われる一週間に世界で何が起こるかについて、大きな疑念があったにも関わらず、私たちは総会とミレニアム観光サミットを遂行することが私たちの義務であると感じました。 |
| 事業は続行しなければならず、生活は続けねばならず、世界観光機関は逆境に面した観光産業のリーダーシップをとることができるのだということを、例をもって世界に示すことが大切でした。 |
| 今回の総会に出席した700名の代表は、自らの言葉と行動で、そのリーダーシップを表しました。これらの代表は、テロ行為を非難し、アメリカ合衆国の人々との連帯を表明し、テロ撲滅のため国際協力を求める決議案を、木曜日に採択しました。 |
| この決議案は、118ヶ国の総会参加国によって承認され、テロ襲撃について話し合うため臨時会議を開いている国連安全保障理事会に送られました。 |
| それから、代表者たちはさらに行動を進めました。いくつかの国の政府や世界観光機関ビジネスカウンシルの民間加盟員たちの要請を受けて、彼らは、観光産業が受けた大きな打撃から回復するのを助ける行動計画を作成するよう、事務局に求めました。 |
| 行動計画案は、2日の間に最終的な形にまとめられ、サミットの終わりに大阪宣言と共に発表されます。これには、3つの主要部分が含まれています。まず一つ目は、観光産業の発展をリアルタイムで追跡し、観光業界がどのように反応しているかについて、加盟国に戦略的市場情報をフィードバックする危機委員会の設置です。 |
| 次に、安全面で現在の世界観光機関の活動を強化するもので、今のところ加盟国内の安全業務機関、訓練セミナー、そして出版等が含まれています。観光産業が安全性を向上させるよう働きかけるつもりですが、娯楽旅行の楽しみを奪わない均一の方法でそれを行いたいと考えています。 |
| 行動計画の第3の内容は、加盟国が前向きな観光イメージを再建するのを助けることです。中東、南アジア、そして北アフリカの観光目的地が、その他の地域より大きな影響を受けていることは明らかです。これらの地域は、何千キロも離れたところで起こる出来事、それらの地域と全く無関係の事件のために、これまでも何度も被害を被ってきました。ですから、こうした国々には特別な援助を与える必要があり、また世界の他の地域から訪れる観光客に特別な支援を与える必要があると感じます。こうした観光客は、異なる文化への寛容と開かれた心を通して、観光は本当に国際理解に貢献できる産業であると示すことができるのです。 |
| こうした一連の行動によって、観光産業を速やかにその軌跡に戻す手助けができるものと信じますし、また、私はこのご挨拶を前向きな方向で締めくくりたいと思います。湾岸戦争やコソボ紛争など、ここ10年間の経験で、観光は大きな体力と耐久力のある産業であることが証明されてきました。たとえ人々が世界のある場所へ行くのを恐れても、彼らは世界のどこか別の場所へ行くか、あるいは家にもっと近いところを旅行します。いずれにせよ、旅行はするのです。 |
| 観光には大きな回復力と危機から立ち直る力があることもまた、私たちの経験から証明されています。もし人々が一年間、ある一定の目的地へ怖くて行くことができなければ、需要が鬱積し、翌年には驚異的な成長率が見られることでしょう。第2次世界大戦以来、観光業界には、マイナス成長の年はまだ一年たりともないのです。 |
| 今回の危機が始まったとき、世界の主要目的地の大部分ではすでに夏の観光シーズンは終わりを迎えており、その時点で観光は、世界的に約3%の伸びを示していました。9月11日以降、私たちは2001年の短期予想を1.5%から2%の伸び、つまりそれまでの予想の約半分に減らすことを余儀なくされていますが、しかしそれでもなお、プラス成長であることに違いはありません。 |
| 観光は速やかに回復するものと私たちは確信しており、従って現時点では、2010年から2020年の長期予想を修正する必要はないと考えています。デイヴィト・デ・ヴィリエ事務局次長が数分後に、その調査結果をお見せします。2010年には海外から訪れる観光客数が10億人に、また2020年には15億人になるであろうというのが、私たちの予想です。ちなみに、昨年は7億人と記録されています。 |
| 皆様、新しい世紀に入って初めての世界観光機関総会は、歴史的な総会になりました。今回の総会はソウルと大阪で開かれましたが、総会を二つの会場に分けて開いたのは今回が初めてであり、また、このような大きな問題を扱わなければならなかったことも初めてでした。 |
| これから2日間にわたっておこなわれる観光サミットは、モルジブのマウムーン・アブドゥル・ガユーム大統領の特別講演で幕を開けますが、官民の発言者たちによって、現在の状況に新しい光が投げかけられるものと確信しています。そして、観光産業に携わる皆様と旅行を楽しまれる方々全てのお力により、これから始まる新しい世紀は、テロの世紀ではなく、観光の世紀である、必ずそうできる、と確信します。 |
| ご静聴ありがとうございました。 |
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| B元南アフリカ大統領からのメッセージ |
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| 関係各位のみなさま、今回のミレニアム観光サミットに出席できず、たいへん残念に思います。 |
| 会議に参加し、観光業界における傑出したみなさんのご意見をお聞きすることができれば、それはたいへん光栄で喜ばしいことだろうと思います。 |
| 新しい世紀の始まりにあたり、しばし歩みを止め、過去を評価し、未来を考察することはすばらしいことであり、世界観光機関(WTO)が指導力を発揮されたことにお祝いを申し上げます。 |
| 見知らぬところへの探検、新しい発見、貿易路の開拓への欲求は、何世紀にもわたって人々を旅へと駆り立てる活力となってきました。陸、海、そして特に空路における近代的な交通手段の発明は、世界中の人々の動きに劇的な変化をもたらしました。 |
| 我々が生きている間に、観光は世界の社会経済活動の最も強力な要素のひとつとなりました。ミレニアム観光サミットは、社会に対して観光がもつ影響力と観光業界が直面している重要で手ごわい挑戦について、業界の指導的立場にある人々がお互いの考えを交換する時宜にあった機会です。 |
| 今回のミレニアム観光サミットの焦点となる3つのテーマがあります。観光業界の今後の発展とその管理のためにこの3つのテーマが基本的な重要性をもつことは明らかです。市場の動きの変化、文化および自然遺産継承、ITがもたらす情報革命、という3つのテーマは、非常に重要な問題です。このサミットにおける優れた識者と業界指導者の意見交換は、このようなテーマに対して新たな興味深い見地を我々にもたらすことを信じています。観光業界における重大かつ新たな問題と取り組むためにこの会議を準備した主催者に賛辞の言葉を送ります。 |
| ここで、観光に関連する2つの問題について簡単に述べさせていただきたいと思います。このことを取り上げるのは、これらが私の人生に対する哲学であり、世界の未来に対する私の考えを特徴づけるものでもあるからです。また、これらの問題に取り組むことによって、観光がこれらの問題に変化をもたらすことができるからです。私がここで取り上げたい2つの問題とは、平和の構築とその維持であり、早急に必要とされる貧困との戦いです。 |
| 平和なしには観光は成立しません。一方で、観光が平和に貢献できることもまた真実です。違う地方を旅し、我々の世界を形成する文化や習慣の多様性を経験することによって、人々はお互いを理解することを学びます。観光は人々の間に存在する壁や障壁を打破する助けとなります。 |
| 観光によって我々はお互いにそれぞれの独自の文化、価値観、歴史、伝統、要望、そして夢をもつ平等な人間であることを理解します。我々がお互いに理解し、寛容の美徳を身に付け、お互いに敬意を払うようになったとき、世界はとてもすばらしいものになるでしょう。世界にその門戸を開く国は、世界からもよりよい理解をもって迎えられるでしょう。そして、その国の国民は、すべての人類は隣人であるこの世界について、より良く理解することになるでしょう。 |
| 南アフリカにおいて、我々はこのことを学びました。不公平で独裁的な人種隔離政策が廃止され、自由で開放された民主的な社会に変わったとき、世界における我々の地位は劇的に変わりました。我々が平和を確立したとき、多くの観光客が南アフリカを訪れるようになり、観光客数は増加し、南アフリカはアフリカにおいてもっとも旅行客が多い観光地となりました。 |
| 平和と観光は、お互いを強化しつつ共存しています。平和でなければ、人々は他の重要な問題と取り組む能力をなくし、未来は暗澹たるものとなるでしょう。しかしながら、私はあえて楽観的です。私のつらい経験からいっても、我々は平和と正義を探し求めることを決してやめるべきではありません。平和をあきらめることは、未来をあきらめることです。そういうことは、決して起きるべきではありません。 |
| もうひとつの私の重要な関心事は、貧困です。貧困を減少させることは、我々の時代における切実な問題です。我々の仲間の人生に対して貧困がもたらす計り知れない影響は、我々の世界における悲しくつらい現実です。世界中の国際機関や政府の尊敬すべき野望にもかかわらず、貧富の差は広がり、問題は大きくなるだけのように見えます。人々やコミュニティが貧困の惨めさから脱却し、よりよい未来へのきっかけをつかむような、より多くのライフラインが必要です。観光がその役割を果たすことができると私は信じています。 |
| 今や観光は、世界において最大でもっとも早い動きを見せる経済活動としての地位を獲得しました。世界観光機関(WTO)は、予測できうる未来において、観光の持続的で安定した成長を予測しています。貧困と闘うために、観光をより効果的に味方につけることが問題解決の鍵となります。 |
| 過去10年間において、低開発国では他の国々よりも観光の成長率が高いことを私は知りました。このことは、これらの国々においてはその国のための観光資源の開発がおこなわれる可能性があることを示しています。これらの低開発国において観光は新しい何百万という仕事を作り出し、これらの国々における外貨獲得源の重要な部分を占めています。低開発国のほとんどはアフリカの国々であり、それらの国々では、仕事と貧困の悪循環を打破する機会が必要とされています。低開発国における観光は、労働集約型であり、小規模の事業体に対して新しい仕事の機会を創出しているという多くの実例があります。観光によって創出された仕事は、訓練を積んだ高いレベルの人々のためだけではなく、貧しく技術もない人々のためでもあるということは特に心強いことです。これらの仕事は、都市部そして遠隔地の地方都市の女性や若い人々に適するものです。 |
| 観光は貧困を緩和しますが、どんな観光でもその役割を果たすというわけではありません。指針のない、場あたり的な観光は、開発国の環境、社会や文化のパターンに計り知れない悪い影響を与えるでしょう。正しい管理と明確で持続可能な開発に対する指針がなければ、観光は自然社会、文化の状況に深刻な害をもたらします。そして、人々、特に女性や子供たちの搾取をもたらし、伝統的な価値観や習慣の障害となり、人々を地域社会から遠ざけることとなるでしょう。 |
| 私は、これらを含む問題について、「世界観光倫理コード」が世界観光機関加盟国の満場一致で採択されたことを知りました。この規約が基本とする持続可能な観光開発に関する原則は、2002年にヨハネスバーグで開催される次回の地球サミットでの議論の一部となることでしょう。 |
| このように、観光が概ね良い影響をもつことは明らかです。観光の長所を最大限に引き出し、短所を最小限にする方策や開発プロジェクトが必要とされています。貧困と闘い、安全で平和かつ公平な世界をつくり出そうとする我々の欲求は、何者によっても邪魔されるべきものではありません。 |
| ミレニアム観光サミットの成功を心よりお祈りいたします。 |
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