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 ■巻頭言  ■第14回WTO総会までの歩み  ■大阪総会/全体プログラム
 ■1.開会式  ■2.全体会合(第5回、第6回)  ■3.ミレニアム観光サミット
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 ■WTO総会及びミレニアム観光サミットに参加したリーダー等による声明(テロ関連)
 
(4)ミレニアム観光サミット第3部

「情報技術革命と観光」
゛Tourism and the information technology revolution in this millennium "
 

@ 基調講演概要

「観光とIT」 大星 公二((株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ代表取締役会長)

ITの生活に及ぼす影響は、バーチャル市場のB to Cで、何時でも何処でも、より多くの情報により商品やサービスや社会的利用機会等、時間と空間を超えた幅広い選択の可能性が与えられつつある。
産業としての観光とITの関係については、供給サイドとしての自然と景観・歴史的遺産・建造物・動植物等観光資源の価値を維持向上させるのに必要な知識・情報・技術や物的・人的リソースは、世界的規模の広がりを持つインターネットによって、より効率的よりスピーディーに的確な入手が可能と考えられる。需要サイドとしての利用者をより多く増やし、しかもリピーターとして継続させるために、インターネットが効率よく機能することは言うまでもない。このオープンなネットワークは世界的に開いているので、如何に魅力あるHPを作成するか技術やアートのリファインが求められる。
利用者の利便性を考えると、観光先の選択から交通手段の確保、観光地での宿泊、観光ガイド等始まりから終わりまでワン・ストップ・システムになっているのがよく、それが全体としてITネットワーク化によるトータル・システムになることが効率的と考えられる。交通手段の選択1つ取ってみても、B to Cが広範なバーチャル・マーケットが出来ていると、より安くよりタイムリーに、時にはインターネット逆オークションによってさらなる支出削減が可能となり、観光需要をさらに誘発するものと考えられる。
これらのITネット構築については、政府がIT基本戦略によって、インフラとして2005年までにブロードバンドによる高速インターネット網の整備を計画しているので、これが観光システムにも寄与するところが大きいものと期待される。
観光にもっとITが活用されトータル・システムが構築されることを期待するのは、観光というものが個々の生活者にとっても、全体としての日本経済にとっても、極めて重要なポジショニングを占めるようになってきているからである。わが国の経済・社会の現状を端的に概観するならば「国民の大多数にとって、生活に必需的なモノがほぼ充足された成熟社会」といえると考えられる。したがって生活の中におけるモノのウェイトは相対的に低下し、代わって知的情報的欲求が高まってきている。その証拠に不況でモノが売れないといわれるが携帯情報端末による「iモード・サービス」は2年間で2000万人加入という巨大な需要が創出され、海外旅行者も毎年10%近い伸びを続けてきている。このため経済全体としても第3次産業としてのサービス業の就労者のシェアが増大してきており、このトレンドの中で観光業がウェイトを高めていくのは必然なのである。しかも、観光業の経済的波及効果は極めて大きく、経済政策としてもさらに強化すべき戦略的産業と評価するからである。

A パネルディスカッション概要

モデレーター:ホセ・アントニオ・フェレイロ(WTOビジネスカウンシル事務局長)
スピーカー:ロジャー・カーター(世界観光機関専門員)
 「観光電子商取引の傾向と機会」

オンライン市場の傾向として、インターネット使用の爆発的な増加があげられる。ユーザーの30%が観光目的で利用しており、インターネットの利用によって効果的で簡単な情報入手方法(バリューチャンネル)が変化してきた。また、オンラインプロバイダーの合理化および二極化がみられ、個人顧客及びカスタマーリレーションマーケティング(CR戦略)、B to Bを重視し、コンテンツの強化が重要となってくる。
(最後に世界観光機関が発刊する出版物について紹介)

スピーカー:フェリッペ・ゴンサレス (アマデウス サビア支社長/スペイン)

技術という言葉自体が魔法。シンプルな技術でなければわからない。コンピューター化された予約システム(CRS)を通じて、アマデウス社は目覚しい成長を遂げた。アマデウス社の将来の見通し。1.将来を見通すためには、過去において我々が過去における将来である現在をどのように見通していたかを振り返らなければならない。2.クライアント(サービスプロバイダー、ツアーオペレーター等)にツールを提供し、これらの業者が消費者に最終製品を提供することの支援を行う。3.クライアントの複雑な要求にも応える。
旅行代理店は、目覚しい成長を遂げている。製品を一まとめにして、すなわちマージンを抑えても売上を増加させていくことに傾注する。
今後も、技術の影響、地域もサービスプロバイダーにもサービスを提供していく。インターネットは今後も人と人のコミュニケーションのための媒体に過ぎない。

スピーカー:月尾 嘉男(東京大学教授)

21世紀における観光とIT。ITの技術の特徴と経済の特徴、そしてそれが社会のコミュニケーションの形を変化させる方向。
1.技術的な特徴:ITは、従来の形態とは異なるコミュニケーションを、インターネットを通じて行っている。音声・文字・画像の交換が全てインターネットを介してできる。情報交換の形態も個人対個人(通信)、個人対多数(放送)のみではなく、多数対多数のコミュニケーションも可能となった。
2.経済的な特徴:コンピューターと通信の価格の下落。均一・定額料金、情報の無償提供が可能となった。(一例として、世界全体で5000種類の新聞がインターネット上で情報を提供している。)
3.その帰結:・観光地が同一の情報を大衆へ提供するのではなく、個人の需要に対応した情報の提供ができる(大衆から個人へ)・供給側から需要側へ主権が移行する(例:デルコンピュータは注文に対応してコンピューターを製造)・情報の所有から共有へ転換。
これらコミュニケーションの形態の変化による観光の変化:・観光地が提供する観光から旅行者が見出す観光(例:岩手県のエコミュージアム)・提供側の評価から旅行者による評価への転換。・個別の需要への対応・リアルタイムで対応・サイバースペースでのコミュニケーションによって、文化の価値が決定(例:アマゾンの読者の声ページ)
最後に、重要なことは、観光の基本は人を惹き付ける力を高めることである。いかにITが社会の利便性を向上させても、観光の本質は本物にある。

スピーカー:イー・ヨンテッ(韓国観光研究院院長)
「政府・政策の役割」

共同開催を通じて、日韓が共に様々なことを学ぶことができた。観光研究院は、5年前に政府によって設立された。
世界中で、ナレッジベースのマネジメントが進められている。技術革新を統合できる能力が重要視されている。観光業も今、ナレッジベースの旅行業の世界へ踏み込まなければならない。コンセプトの変化:旅行情報提供サービスの変化(ウェッブページを通じて、個々の旅行者の要望に則した情報の提供等)
政府の役割、リーダーシップ:政府が求められるのは民間の支援、協力を通じた取り組みである。韓国政府の推進する全国旅行情報プラン:1.旅行リソースデータベースの構築。2.電子商取引推進のために各種法制度の整備を行う。3.観光ベンチャーの支援(観光土産のデザイン、デジタルマップの制作、ハイテクを活用できる人材の養成、認証制度の導入、ビジネス評価モデルの提供)。
最後に、観光業の成長の基盤はナレッジ(情報・知識)へシフトしている点を改めて指摘したい。各国の取り組みと共に、国際レベルでの取り組みが重要である。その意味でも世界観光機関の役割は大きい。