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@ 基調講演概要
第1講師 マウムーン・アブドゥル・ガユーム(モルジブ共和国大統領)
世界観光機関(WTO)並びに日本国政府に謝意を表明。
この会議で発表される「大阪宣言」が今後の環境保護政策に影響を与えると確信する。歴史的な地球環境サミットから10年近く経た今、確かに地球環境を守らなければならないという認識は高まっているが、しかし地球の保護・保全・維持のために必要な意義ある前進は未だ見られない。環境問題に対応するためには、世界が一丸となって行動しなければならない。政府、民間、学界そして個人一人一人が行動を起こし、共に歩まなければ達成できない。その中で観光業が果たせる役割は何であろうか。観光業は、地球環境サミットで採択された方針に則った行動計画アジェンダ21にいち早く取り組んだ産業であり、その他観光業が展開する各種の国際的なイニシアチブからも、観光業が環境保護・保全に貢献する努力を払っていることは明らかである。モルジブは、観光業の発展を重要視してきた。持続的な開発の旗の下、第二次観光10ヵ年計画を実施。環境にやさしい産業ガイドラインの策定・適用、生態系の保全・保護、森林再生キャンペーンの実施等に取り組んでいる。
観光業は自然や野生生物保護だけではなく、友好関係の構築や、人間の交流の上でも重要な役割を果たす。観光業は国と国の境を取り払い、人間の価値観の地平線を拓く。我々は、観光業の将来を守るため、ひいては人類の将来を守るために、米国で発生したようなテロや世界平和を揺るがす他の各種の脅威を根絶しなければならない。
人々が海外を旅して、世界各地の文化・伝統・自然について学ぶことを促す観光業はそういった文化遺産や自然の保護についての関心を高める。世界観光機関が、国連教育科学文化機関(UNESCO)や国連環境計画(UNEP)と共に世界遺産や自然環境の保護を推進することは、非常に重要である。
我々は、これらの環境保護や文化遺産の保護・保全に向けて、分別ある一歩を今すぐに踏み出
さなければならない。
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| 第2講師 ロシオ・バスケス(エクアドル観光大臣) 本日の発表の機会に感謝。文化・自然遺産の保護についてエクアドルの例。共通の遺産を子孫のために保護・保全することは、心の安寧のための取り組みである。エクアドルの国民が世界遺産の保護にいかに取り組んでいるかを報告する。アンデス山脈、アマゾン流域といった豊かな自然を擁した国。多様な民族構成の国でもある。世界第8の生物多様性を誇る国でもある。
国連教育科学文化機関(UNESCO)は世界遺産委員会を通じて、エクアドル国内の4箇所を世界遺産として世界遺産リストに登録している。この4箇所の世界遺産を保護する義務をエクアドルは負っている。今、ガラパゴスの海洋資源についても世界遺産の指定を求めて申請を行っている。エクアドルは、献身的にこれらの世界遺産の保護・保全に取り組んでいる。我が国だけの努力では不完全である。
国際的な取り組みが重要である。
世界遺産の保護・保全のためには、次の努力が必要である。国民の教育・啓蒙を通じた世界遺産の保護の重要性に対する国民全体の意識醸成。民間セクター(競争理論の導入)や地域コミュニティの参加の促進。ツーリズムと遺産保護のバランス。対話に基づいた施策の展開。責任分担と協力のあり方を十分考慮した、責任あるツーリズムと世界遺産の保護のプロトタイプを、世界各国に提示していく。具体的にはアクションのためのフレームワークを明らかにし、施策を推進している(例:エコツーリズムセンターの発足)。政府は、保護のためのインフラ整備にも取り組んでいる。政府は規制する立場ではなく、競争を促進する立場を維持するべきである。世界観光倫理コードを重要視している。サービスプロバイダー間での協力を促しつつ、旅行者の満足のためにある一定のサービス基準を設ける。一部の既得権益の反対をものともせず、必要な施策を実施しなければならない。さらに税の優遇措置を含めその他の各種優遇措置を導入して観光業の成長を促している(国家計画に基づいて実施)。
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| 第3講師 タレブ・リファイ(ヨルダン観光遺跡大臣) 自然及び文化遺産の保護は、世界全体に課された挑戦であり、同時に大きなチャンスでもある。エコツーリズムとは何か。 1.保存とプレゼンテーション。文化観光を通して、
人々は歴史や、異なる文化背景を持つ人々を理解することができる。エコツーリズムを通じて、地球は一つであること、
自然との共生等の重要性を認識する。2.全ての社会が自然遺産や文化遺産から恩恵を受けることができる(全ての人々のための全ての人々による遺産である)。3.保存と開発のバランス。厳格で明確な倫理基準を策定し、それを遵守することが重要である。来年カナダで開催される世界エコツーリズムサミットで、我々の経験を十分に共有・協議し、その結果をヨハネスブルグでの国連の持続可能な開発のためのサミットへ報告するべきである。(ヨルダンは、昨年観光に関する持続可能なエコツーリズムに関するビジョン・戦略を発表した。そのPRポスターが今回受賞したことをこの場で報告する。)
持続可能なエコツーリズムの発展は国際社会全体の責任であると思料。ゆえにヨルダンは各種の国際的な取り組み、国際機関の努力への協力を惜しまない。
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| 第4講師 キム・ビョンモ(韓国伝統文化学校総長) ユネスコ国際文化財保存修復センター(ICCROMI)の評議会メンバーとして、世界の文化遺産や自然遺産の重要性を認識する。観光業にとってこれらの遺産は必要不可欠なものである。人と自然の関わりは、原始時代に遡る。古代文明が栄えたエジプトや中国といった地域は現在砂漠である。
残念なことに社会の経済発展・開発は、遺産の破壊につながってきた。また先進国のライフスタイルは遺産の保護のためには好ましいものではない。
世界の人々は、アフガニスタンでバーミアンの石仏が破壊されたことを目撃した。
韓国伝統文化学校は、韓国の伝統文化を保護するために設立された。私達人間は自然の中に身を置くことによって、心の豊かさを感ずる。開発や経済成長によってこれらの自然が破壊されることを阻止しなければならない。
地球上の全ての文化が同様に重要である。今日から世界の文化の重要性を我々の子ども達に伝
えていこう。何事にも遅すぎるということはない。
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パネルディスカッション概要
モデレーター:エウゲニオ・ユニス(世界観光機関環境担当局長)
スピーカー:西村 幸夫(東京大学教授)これらのアジア地域の観光目的地全ては、人口密度が高く、遺跡の周りには人々が生活している。生きた伝統文化の村・町が観光地として人気を得ている。
観光まちづくり:コミュニティをベースとした自然保護と観光の促進。観光まちづくりを考える時、地元の住民の生活と観光のバランスをいかにとるかが課題となる。地域社会そのものが、問題を適切に理解し対処してこなかったために問題が表明化した。対策としては、1.地元の人々が自己実現の機会と捉える(雇用機会の創出)。2.観光客にとって魅力あるまちづくりの推進。3.観光客の需要の多様化に適切に対応する。各地の観光地は、観光促進に個別に取り組むと共に、他の観光地とネットワークつくりを始める。4.地元住民が参加したまちづくり。5.観光資源の付加価値。6.リピーターの確保のために広報活動等も展開する。7.自治体、観光業者等の間で情報の共有化を進める。8.観光業の実体を把握するために、モニター活動を行う。9.最適慣行(ベストプラクティス)リストの作成。
そこに住むものが満足して、初めて、訪問者の満足を得ることができる。
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| スピーカー:ユッカ・ヨキレット(国際記念物遺跡会議(ICOMOS)インターナショナルトレーニング委員会委員長) 観光に関する各種の統計が昨日発表されたが、専門家以外にとっては理解が困難。我々は、観光とは、人を対象とするサービスであることを忘れるべきではない。
文化的遺産の保護を考える時、その地域、地域に根付いた価値観によって判断された遺産を保護することであることを理解しなければならない。文化遺産には、有形・無形のものがある。この無形のものにはその場所の持つ価値観・概念が対象となることがある。遺産の無形の側面を理解しなければならない。現代社会では、様々な変化がめまぐるしく起こっている。この変化と価値観の変化の間にはギャップがある。
文化観光とは、他の文化を学ぶ機会である。古代の記念碑のみではなく、文化の重層性や多面性を包含した概念そのものも含めて文化遺産である。(日本国政府は、信仰の山を文化遺産として認めようとする会議を開催)
観光は、文化遺産を理解し、解釈する機会である。
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| スピーカー:ロジャー・ウィーロック
(カナダ観光局副局長) (実務家の視点からカナダの抱える課題の報告)持続可能性は、自然の保護に関係して我々が対処してきた課題である。
1963年、園芸ツーリズム(ブッチャートガーデン)を始めた当初は、国際的な観光客はほとんど無し。1967年モントリオール万博開催を契機として、国際観光客が大量に流入。
その後、ヘリテージトラストに関与。マスツーリズムのみならず、全てのツーリズムが、これらの建造物の保護や保全にマイナスの影響をもたらすと考えられていた。次に勤務したのが、カナダ観光局。自然あるいは文化どちらの観光資源を活用して観光を促進するかを決定することが課題であった。
また計画のない点も問題として指摘されていた。(カナダのマーケティングブランドは「ディスカバー・トゥルー・ネイチャー」)
今も抱える課題1.人材 2.新たな文化の登場 3.カナダの旅行関連費用の高さ 4.マーケティング手法の落とし穴、5.社会の価値観を醸成していく観光のあり方
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| スピーカー:テリー・デ・レイシー(サステーナブルツーリズム協同研究所所長) 持続的な開発は、コミュニティ全体を巻き込んだ、政府、企業、個々人のパートナーシップに基づくアクションによって達成できる。例えば、環境や遺跡の保護は、各種の法規制の整備、政策改革、調査研究、革新、企業の社会貢献活動等を通じて実現される。
1999年国連の持続可能な開発委員会は、観光業に対し、企業としての自発的な規制を求めた。これに対して観光業は、国際レベルでは世界観光機関の世界観光倫理コード、地域レベルではアジア太平洋経済協力会議(APEC)の持続可能な旅行に関する倫理コードを策定・遵守するという形で応えた。
持続可能性に関する最適慣行(ベストプラクティス)を示
することによって、各国、各地でこの最適慣行に向けて向上・改善するという取り組みが行われるようになる。
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