■総会全体概要  ■大阪総会実施概要  ■ソウル総会実施概要
 ■WTO参加国  ■過去の総会開催地一覧
 ■キャッチフレーズとシンボルマーク/総会記念切手の発行
 ■巻頭言  ■第14回WTO総会までの歩み  ■大阪総会/全体プログラム
 ■1.開会式  ■2.全体会合(第5回、第6回)  ■3.ミレニアム観光サミット
 ■>開会式  >第1部  >第2部  >第3部  >総括・大阪ミレニアム宣言
 ■WTO総会及びミレニアム観光サミットに参加したリーダー等による声明(テロ関連)
 
■巻頭言
−世界観光機関(WTO)大阪総会を終えて−
 
第14回世界観光機関(WTO)総会は、日本で初めて開催された総会であるとともに、史上初の2カ国共同開催として、韓国・ソウル(2001年9月23日〜27日)と日本・大阪(9月28日〜10月1日)で開催されました。
直前にアメリカ合衆国において同時多発テロ事件が発生し、緊迫した国際情勢のなかでの開催となりましたが、大阪総会では、9月28日の開会式に皇太子殿下のご臨席を賜り、世界117カ国・地域から61名の大臣閣僚級を含む1400名以上が参加する盛会となりました。また、世界各国から大統領・閣僚級の観光行政のリーダーをはじめ、ビジネス界や学界のリーダー・専門家たちが一同に会した「ミレニアム観光サミット」が、大阪総会の中心行事のひとつとして開催されました。一般公募も含め2日間でのべ2300人以上の参加を得て、21世紀の観光の方向性を取りまとめた「大阪ミレニアム宣言」を採択して成功裡に閉幕しました。
今次総会を振り返り、気付きの点をいくつかご紹介いたします。第1に、テロ事件に対する世界観光機関(WTO)の迅速な対応であります。今次総会では、「テロ行為は平和と観光の発展に対する敵である」として、日韓両国が共同提案したテロを撲滅する国際的協力を求める「決議」が採択されました。加えて、厳しい状況に直面している観光産業に対する信頼回復措置を検討するため、世界観光機関(WTO)事務局内に官民合同の危機管理委員会を設置することなど具体的な行動計画を定めた「声明」が発表されました。このように、世界観光機関(WTO)がテロの問題について、いち早く、加盟各国や観光関係者の結束を呼びかける明確なメッセージを発信したことが、国際社会の注目を集めました。
第2に、今次総会が、日韓両国で共同開催されたことの意義であります。両国の間では、史上初の共同開催を成功に導くため、具体的な話し合いを進めてまいりました。その一環として、今次総会のシンボルマーク(ロゴ)、キャッチフレーズを日韓共同で制作し、全世界に向けて共同で宣伝活動を実施するとともに、大阪市・ソウル市など関係者のご協力を得て、「ソウル大阪自転車ツアー」など市民レベルの交流イベントを実施することができました。また、今次総会における両国大臣の会談によって、「東アジア観光交流圏構想(イーストプラン)」の推進が合意されたことは、両国の観光交流の発展と相互理解の増進にとって、歴史の新しい1ページを拓く意味をもつものと考えます。
第3に、次期2003年の総会開催地として、中国の北京が選ばれたことであります。21世紀は「観光の世紀」であるといわれますが、今後、特に東アジア・太平洋地域の観光交流の大きな伸びが予想されています。日本・韓国に続いて、中国が世界観光機関総会のホスト国になるということは、時代の大きな流れを強く印象付ける出来事でありました。
第4に、今次総会最終日に採択された「大阪ミレニアム宣言」の意義であります。 前文において、観光の発展には平和と安全が不可欠であること、テロ事件を克服し観光は必ずや再び高い成長率を示すことなど観光に携わる関係者の共通認識を示した上で、21世紀の観光を見据えた3つのテーマにつき、将来の方向性を明確に提示しています。第1部「旅行市場の変化」では、市場の拡大に伴うメリットを途上国が享受するためには、旅行者の安全確保、途上国に対する人材育成などの対策が不可欠であること、第2部「自然・文化遺産の継承」では、海洋等の自然環境、文化遺産の保護、地域住民の意見等に配慮して観光開発を進める必要があること、第3部「観光と情報技術(IT)」では、データベースなどのインフラ整備、消費者保護、旅行者利便の向上などの分野で、行政当局や政府観光機関等の積極的役割が不可欠であることなど、包括的な内容が盛り込まれています。加えて「大阪ミレニアム宣言」は、宣言に盛り込まれた各課題の実行のため、各国政府、民間企業など関係者に対し、一致協力してあらゆる手段を講じるよう要請していることに大きな意義があります。
以上のとおり、21世紀最初の世界観光機関(WTO)総会は、日韓両国の協力と協調のもと、時代の大きな流れと大変厳しい国際環境の中で開催され、大きな成果を収めることができましたことを、謹んでここにご報告申し上げます
最後になりましたが、今次総会の開催にあたり、国土交通省をはじめとする関係省庁、大阪府・大阪市・大阪商工会議所・関西経済連合会など地元関係団体、日本財団、世界観光機関(WTO)振興議員連盟、国際観光振興会その他観光・旅行・交通関係団体、国際機関日本アセアンセンター、(財)アジア太平洋観光交流センター等数多くの皆様から、官民一丸となった力強いご支援とご協力を賜りましたことを、この場を借りまして、心から感謝申し上げる次第です。
 
平成13年11月
世界観光機関(WTO)大阪総会実行委員会委員長  扇 千景